夢うつつ

日記、記録

2018/10/21 言い訳

バスに乗ると、男子学生が部活終わりなのかだらけながらしゃべっていた。

「あいつ、チアはいったん?」

「マジ? 足上がんねぇんじゃね?」

「あの人、バス乗りたかったのに乗れなかったっぽいなw」

「ウケるわーw」

消費されていく言葉がかわいそうだった。私は目を閉じた。

 

独りで食べるラーメンはうまい。昼時とはずれて店はさほど混んでいなかったため、充分に味を堪能できた。店の空気とも切り離されて、独りラーメンと向き合う。あとから入ってくる客がみんな二人客であったことが少し気に食わなかったくらいで、独りラーメンは嫌いじゃない。きっと誰かと食べにくると、味わえなくなってしまうだろうから。

 

最果タヒさんの本、教養についての本、源氏物語を探しに図書館に向かった。幸いにも最果タヒさんの本が多く在庫にあったため、ウキウキウォッチンな感じで本を選べた。一時間ほど。哲学などの本も見つつ、図書館の本の匂いに包まれたいい時間だった。

 

帰りのバスにて。ぼーっとしていると、ビルの隙間から夕日が睨んできた。はっとした。すると、川がきらきら、きらきら、ゆるやかに落ちていく。私は思う。さあ言い訳をしよう。生きるための言い訳を。「もう一度あのラーメンが食べたい」「本を返す」「源氏物語の本を深ぼりしたい」「あの男子学生らのような男の子が教養のある女の子に出会ったらどうなるか物語を書こう」……。達成できもしない言い訳を重ね、今日、そして明日を生きる理由にする。「またバスからこの風景を見よう」それでいいじゃないか。そんな生きる言い訳があったっていい。

 

晴れの日曜日、おでかけするのにはもってこいだった。

このブログ内のすべての画像・文章の転載・複製・二次加工・販売を禁止致します。